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県南支部のblog「ケンチくん日記」
2022/2/28

本館の大階段
5~6年前に友人と宿泊した「ホテルニューグランド」の本館は銀座の和光を設計した 渡辺仁による設計でクラシックホテルの代表例、横浜市の歴史的建造物です。
ヨーロッパスタイルの正統派というスタイルを保ちつつ、どこか古き日本の情緒を匂わせるといった重厚で品格のある風情です。
このホテルの一室はマッカーサー元帥の執務室として使われており、チャーリー・チャップリン、ベーブ・ルースをはじめ、多くの著名人も宿泊しています。
コロナ禍がまだ続く中、なかなか行きたいところへ気軽に行ける状況ではありませんが、
以前行った所の写真を見て、また行きたいなと思っています。
1927年開業以来約100年、日本は一番様変わりして来たのではないでしょうか。
この先も変わっていく日本で、ぜひ永く残っていって欲しい建物です。

本館大階段の手摺

2階ロビー

舞踏室(Ball Room)

フェニックスルーム
有限会社吉栄工務店一級建築士事務所
浅田 由江
2022/1/31
陸屋根の屋上防水がアスファルト保護工法の場合、 防水修繕には「ウレタン塗膜防水通気緩衝工法」がよく使われます。
修繕工事の時点で既存のシンダーコンクリートやその下のアスファルト防水層が 健全な状態であればあまり不具合を起こすことはありませんが、 何らかの問題を抱えたまま防水修繕を行うと、層間に水が溜ることがあります。
写真では分かりにくいですが、横引きドzレイン近くの平場に踏み込むと 「ウォーターベッド」に乗った時のような“タプンタプン”感があります。目視だけではどこからまわってきた水なのか判明しません。
現在、直下の部屋内への漏水は起きていないので大事には至っていませんが、 早いうちに部分的な補修を行う必要があります。
切開して
乾燥させ
密着プライマーを塗布

新たな通気シートを敷き込み

念のため脱気筒を増設
ウレタンをかけ
もう一層ウレタンをかけ
トップコートを塗って
完了です。
(株)西浦塗装工業
西浦 建貴
2021/12/29
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先日、富士見市の下南畑地区にある「難波田城公園」に行ってきました。
公園の中には明治初期から中期に建築された市指定の文化財で木造平屋建の古民家や長屋門などがあり平成12年に移築復元され、かつての農村の景観を再現されたものだそうです。
その中の旧大澤家住宅(建築:明治4年 建築面積278㎡)は、式台や奥座敷など名主の家のたたずまいを残す建物で、時代劇に出てきそうな建物です。
また、旧金子家住宅(建築:明治4年 建築面積177㎡)は農家住宅で、土間の台所に大きなカマドがあり、煤で黒くなった丸太の梁などは、幼少期に過ごした祖母の家を思い出しました。
園部設計測量 園部秀家
2021/11/30
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この2年間はコロナ禍で旅行もままならない状態でしたので、約3年前に仕事で訪れた島根県益田市にコンペで選定された内藤寛建築設計事務所が担当した「島根県芸術文化センター」を紹介します。
この建物は2005年10月にオープンしており、益田市の行政中心地に建っておりました。地元では「グラントア」の愛称で呼ばれてました。「グラントア」とは広い屋根と言う意味のフランス語だそうです。
とにかく赤茶色の建物が印象的で、壁も屋根も赤茶でした。これは、島根県浜田市周辺が誇る「石州(せきしゅう)瓦(かわら)」が大量に使われているからでした。
中庭を囲んで回廊があり、この中庭から見る建物は圧巻でした。
建物の中は、ほとんどコンクリート打ち放しで折り紙の様な三次元立体構造になっており天井も高くなってました。ちょっと薄暗かったけど…
内藤寛氏の建物がまさかの島根県南西部のそれほど有名でも無い市(すみません)に建ってるとはビックリしました。
なかなか、島根県ですと出雲と松江に行く事はあると思いますが、益田市には行かないと思いますが、コロナが下火になって旅行が出来るようになったら、「石見銀山」とか「萩・津和野」に行く時は、萩・石見空港(これは益田市になります)を利用して是非「島根県芸術文化センターグラントア」に寄って、内藤寛の世界を味わって下さい。隈研吾も良いけど内藤寛も良いですよ。
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公式HP: http://www.grandtoit.jp/
アスク建築設計室 佐藤彰宏
2021/10/31
出身大学の先生から、学生に卒業設計の事を発表してほしいというレクチャーの依頼があり、何年ぶりかに22歳の時に戦った自分の卒業設計を見返してみるという機会があったので紹介させていただきます。

用途は「更生施設」。
刑務所建築を考え直すというテーマ
正直奇をてらったテーマでした。。。
なので手が進まなかったのはよく覚えています。
犯罪者のためにどの様な空間を用意すべきなのかを考えていると
拷問空間を与えるべきという頭がはたらく一方で、
社会更生すべき空間は拷問空間なのかという考えにもなる。
ただ豊かな施設を作ったらそれもそれでどうなのかという心情の繰り返しだった事を思い出しました。

最終的には「更生する事」=「人と関わること」と自分の中で確固たる意思を持って計画を進めて完成までなんとか仕上げた事がとても懐かしく感じました。
改めて自分の計画をみると寮や学校などのもっとカジュアルな用途の方が空間がフィットしているなと感じつつ、
人の精神的な部分に対して建築空間がどこまで加担できるか考えた時もっとプラン的な部分のアプローチだけではなく、宗教建築の様な空間作りを計画アプローチの中に混ぜていく必要があったかなとも37歳の木元が講評をしてみました。笑


2021/09/28

先日、麹町に用事があったので、足をのばして東京国立近代美術館(建物は谷口吉郎氏の設計で1952年竣工、1階の大会場で建築家の個展が開催されるのは、約70年の歴史のなかで初めてだそうです)で開催されている隈研吾展に行ってきました。(注:9月26日で終了しています)
テレビの「じゅん散歩」でも紹介されていたこともあり興味津々でした。
テーマは「新しい公共性をつくるためのネコの5原則」です。(模型だけは写真撮影可となっていました。)公共性が高い建築68件を、時系列ではなく、「孔」「粒子」「斜め」「やわらかい」「時間」という5原則に分類して紹介していました。
入っていくと、「アオーレ長岡」(2012年)を模型と映像で紹介されていました。ここは実際の建物も行ったことがあるのですが、屋根のある吹き抜けの中庭にたくさんの人が集まっており、とても市役所と思えない空間に感動しました。
「V&Aダンディー」(2018年、スコットランド)の模型、写真は初めて見ましたが、米TIME誌の「2019年世界で最も素晴らしい場所100」に選ばれたそうです。
また、模型の展示台が合板で作ってあるのですが、テーマに合わせて斜めにカットされており、つなぎ目がピッタリ留め加工されているのに目がいきました。
無料の第2会場では、隈建築の施主や利用者のインタビューを複数のモニターで放映していました。こういった展覧会では、いつも実際の住み心地、使い心地はどうなのかいつも疑問に思っていたので、それを紹介しているのはおもしろい試みだと思いました。
隈研吾さん本人のインタビューもモニター映像でありました。
なるほどなと思ったのは、「施主に話しやすい雰囲気をつくり、本音をいってもらうようにこころがけている。そうしないとあとでできあがってから建築が成り立たない。」 や「建物が完成して時間が経つと建築の周りにベンチとかゴミ箱とか雑多なもの(雑音)が増えてきて、設計者によっては排除させる人もいるが、雑音は使い手に愛情があるから出てくるものなので自分は否定しない。」などです。
他に360度VR体験コーナー(整理券による予約制)があり、「TOYAMAキラリ」のVR(制作はNHKエンタープライズらしい)はすごかった。以前に仕事帰りに本物の建物に行ったことがあるのですが、VRは本当にその場にいるような感じがします。特に吹き抜け部分で、ゴーグルをつけた状態で真下をみるとリアルに怖かったです。この斜めにせりあがっていく吹き抜けは実際に見たときも圧巻でした。VR映像ではこの斜めの吹き抜け部分をドローンで下から浮上しながら撮影していました。
北村 浩





2021/09/1

地域住民が普段使いして、街に溶け込んでいるのですが、
どこかで見たことがあるファサードが...。
高く深い軒下空間や細い列柱など、
それを模倣している建物はよく見かけるのですが、
これは東京国立博物館 法隆寺宝物館や
京都国立博物館に共通しているすぐにわかる本物の印象。
つくばで小さな内装工事の設計監理をしていた夏の日の帰路、
渋滞をかわすため現場近くのジムに立ち寄った近くに、
日本を代表する建築家の谷口吉生氏の作品があったのでした。
行き当たりばったりのため、
あまりいい写真が取れなくてすみません。ちょっとだけUP します。

(写真2) 80mが入る図面枠で平面計画をしていれば、
もうすこし幅をとってしまうだろうところを間口を小さくしてくる通路
やたら長く見えると同時に用途も形状も左右に分けている

(写真3) できるだけフラットな直線で構成するような水平と鉛直の取合い
グレーチングと水切りの隙間もあまりない
水勾配も立上り防水もおそらくギリギリで攻めている

(写真4) 上部もわざと小さな隙間をつくる
何とかパネルが貼れる最小サイズなんだと思われる

(写真5) 材厚を上げてギリギリ座屈しないようにしているだろう細い径の丸柱

(写真6) 廊下の先端にはだいたい廊下と同じサイスの窓がある
etc.よく考えると気になるところが出てくる建物
同時並行では2件までしか仕事を受けないという...。
そんな仕事をしてみたいものです。
施工: 五洋建設
竣工: 1996年
用途: 複合施設(アリーナ、劇場、会議室等)
所在地:茨城県つくば市竹園1-10-1
公式HP: https://www.tcf.or.jp/capio/
つくばみらい市にはほかにも有名建築があるようで、行かれる際は併せて巡ってみてもいいかもしれません。
+A studio 小澤太郎
2021/08/1

「牛久大仏」
小さな内装工事の設計監理を茨城県の牛久市で行っているので
毎週牛久に通っています。牛久と言えば大仏様が有名との事で
初めて立ち寄ってみました。
「大きい事は、いい事だ~。」とう昔のTVコマーシャルを思い出しました。大仏様のその大きさに圧倒されます。自分は特に熱心な仏教信者ではありませんが、その穏やかな顔を見ると妙に安心するのは
不思議な感覚です。
この大仏様も建築物の一つであるんですね。
川田工業㈱の設計施工。高さ120mの鉄骨造。
構造的にも現代の技術無くしてはできない建築です。
自分たちの行う設計や施工とは、かなり遠い種類の建築だと思いますが、近くに行く機会があれば覗いてみて下さい!
牛久大仏HP:https://daibutu.net/
ジュンメ建築設計事務所 大橋 純
2021/06/23


今年の4月初旬に訪問した栃木県宇都宮市にある「大谷資料館」について投稿致します。
一般の人々の目に触れることなく「未知なる空間」と呼ばれた、地下採掘場跡。
その広さは約2万平方メートル(140m×150m)深さは平均30mあり、最深 の部分は地下60mにも及びます。壁面には手掘り時代のツルハシの跡が残り、
ずっしりと年輪の重さを感じさせます。巨大な地下神殿のような景観でエジプトのピラミッドの内部やインディ・ジョーンズの世界観のような幻想的な空間で映画、ドラマの撮影やCDジャケット撮影、ミュージックプロモーションビデオの撮影に数多く使用されています。第二次世界大戦中は地下倉庫や軍事工場として、戦後は政府米の貯蔵庫としてお米を預かっていたようです。坑内の平均気温は8℃前後でとても涼しく、暑い日に涼をとりながら見学するのもいい資料館ではないかと思います。
大谷資料館
http://www.oya909.co.jp/
株式会社一條測量設計
一條和也
2021/05/30
県南支部のブログ「ケンチくん」を始めることとなりました。

立教学院聖パウロ礼拝堂(1963)
今回は初投稿ということで、県南支部地域では数少ない、有名建築のひとつをご紹介します。
立教高等学校(現立教新座中学校・高等学校)が1960年に開校した際に建設されたチャペルで、アントニン・レーモンド晩年の設計です(2014年に解体された校舎もレーモンドの設計)。後に付属施設、チャペル会館とベルタワー(1967)が建設され現在の姿となりました。
5年程前、改修工事が行われた際に建築士会で見学会を開催しています。
RCアーチ梁がつくる内部は視線を自然と上へと向かわせ、ステンドグラスから差し込む色彩豊かな光は内部空間に温かみをつくり出しています。新たに設置されたパイプオルガンが奏でる音色は、コンクリートの壁、天井に反響し、大きな空間が音に満たされる感覚を与えてくれます。
コロナ感染症対策の為、現在はキャンパス自体が一般立入禁止のようですが、通常なら学園祭やクリスマスミサなどのときには入れるようです。機会に恵まれたときは、是非一度、身近な名建築を体験してみてはいかがでしょうか。
チャペルについて | 立教新座中学校・高等学校 (rikkyo.ac.jp)
https://niiza.rikkyo.ac.jp/aboutus/chapel.html
nh-aa 星野尚紀建築事務所
星野尚紀